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人民の敵 外山恒一の半生(藤原賢吾)

3,300円

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外山恒一(とやま・こういち):1970年鹿児島生。革命家。前科3犯。一度も就職せず、街頭ライブを主な生業としながら「政府転覆」を掲げ、民主主義を否定し、齢は50を過ぎた--。 どれだけ打ちのめされ、敗れ続けても諦めない「革命家」の半生を、約30名に及ぶ取材によって辿るジェットコースター・ノンフィクション(取材期間2年)。 「『あの子があんな風になってしまったのは、すべて私のせいなんです』外山恒一の母・恵子が真っ先に口にしたのは、懺悔の言葉だった。うっすらと涙を浮かべているようにも見えた」(本文より) 《読者からの感想》 ●令和になってやたらと人気が爆発している自称革命家(ファシスト)の評伝。こういう人間に注目が集まるというのは、日本人もよほどストレスを溜め込んでいるということなのだろう。 ●外山恒一の半生を新聞記者が追った評伝。管理教育のある種被害者から「嫌われ者」や「キワモノ」を経て、一理ある活動家へと脱皮して現在に至る様を対象に入れ込みつつも、あくまで客観的な筆でダイナミックに書いている。後半に進むにつれて盛り上がっていく印象。 ●〘読み物としても相当面白い〙 外山恒一という政見放送で有名になった、ファシストの政治活動家の伝記。 外山氏がいかに、日本においてあまりに稀有な、ユーモアを持った政治運動家であるか、 言い方を変えると、イデオロギーを失わないまま政治や思想を笑いに昇華する能力のある、芸がある人かが分かる。 氏の考察としても極めて優秀。ちゃんと氏への忖度ばかりでなく、触れてほしくないであろう逮捕の経緯にも踏み込んでいて優秀。 ●闘うファシスト外山恒一の現在に至るまでの足跡を綴った半生記。活動家個人としての並外れたポテンシャルを持ちつつも、運動組織を構築できない不器用さが同居していることが、人民の立場からすれば悲劇としか思えない。孤立無援ながらまったくメゲない強靭な精神は、国家権力に牙を剥け続けている。取材対象に流されない筆者のスタンスは新聞記者ならではだ。 ●これまで外山氏について相当無理解であったことが分かったと同時に、外山氏は真の革命家であると強く思った。外山氏ほど思想と活動が矛盾せず、且つ心折れずに持続しているひとはいない。こうした信念の人だからこそ、氏の理解者が少なからず現れるのだなと羨ましく思う。そして著者もその一人なのだろう。笑ったり唸ったり、つい涙ぐんだりと、外山氏の半生さながら感情が揺り動かされた本だった。 ●外山恒一『政治活動入門』を最高に面白いと書いた。それは最高に知的好奇心を満たしてくれたという意味で面白かったのであるが、こちらは読みながら何度も爆笑してしまうという意味で最高に面白かった🤣 52歳の時点で伝記を書かれるほどの奇人はそうはいない。あまりにも規格外すぎて笑うしかない。現代屈指の奇人伝。私的2023年のベスト本。 ●革命家・外山恒一の半生を描いた評伝。外山自身が所蔵するビラなどの貴重な資料が使われている。生い立ちから「反管理教育」で始まる前半と暴行事件を境にしたファシスト転向以後から現在までの後半では著者の筆致が変化し、外山への共感と戸惑いが随所に見受けられた。前半は恐らく著者自身が同郷で九州の学校特有の息苦しさの経験者だから冷静な記述になったのだろう。後半は外山の運動と思想が洗練されただけでなく、彼の真面目さと不真面目さを理解しようと熱を帯びてきたように感じるのだ。読み手にもその共感と迷いが伝わる良書である。 ●著者は西日本新聞の記者で、2020年のコロナ禍をきっかけに外山にインタビューし、連載記事を書いた。この本はそれをまとめたものらしい。外山への確かな共感をベースにしつつも、彼のネガティブな言動や思想的な限界にもきちんと言及していて、バランスの取れた評伝となっている。興味深かったのは外山が自身の暴力論を述べている箇所で、自分が「面白主義」で運動してきたのは時代の要請によるもので、今の若い世代はもっと真面目に主張してもよい、なぜなら状況の深刻さに誤魔化しがきかなくなるから、と語っている。

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